2024.12.05 SE構法

地震への備え

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地震の多発地域、日本

日本に暮らす以上、地震は避けて通れません。
全世界で発生するマグニチュード6以上の地震のうち、およそ18%が日本列島付近に集中しています。

※気象庁のデータをもとに作成※地震名または震央地名で表記

地震発生後、命を守るのはわずか15分

地震による死者の90%は、地震発生から15分以内と言われています。
例えば、阪神大震災では、家屋倒壊までの時間は約5~10秒、そして家屋倒壊後の生存時間は約14分でした。
たったこれだけの時間で、建物から逃げ出すことが可能だと思いますか?

建物は本来、人命を守る存在であるはず。しかし、耐震性が不十分な場合、それが命を脅かす凶器となるのです。

新耐震基準の盲点~熊本地震の教訓~

まだ記憶に新しい 2016年に発生した熊本地震。震度7が2回も発生し、これまで安全とされてきた2000年以降の「新耐震基準」の建物が多くの被害を受けました。特に「長期優良住宅」に認定された建物が倒壊した事実に住宅業界にも衝撃が走りました。
皆さんは「長期優良住宅なら構造をきちんと計算した強い家になっているはず!」と思われるかと思いますが、それは間違いです。

キロクマ!熊本素材写真アーカイブスより

日本の木造住宅の80%は構造計算されていない

残念ながら、日本で建てられている木造2階建ての新築住宅は長期優良住宅も含めておよそ80%が構造計算されていません。なぜなら、建築基準法という法律の中で、「500㎡以下、木造2階建て以下の建物」については、構造計算が免除されているからです。この法律は「四号特例」と呼ばれていますが、上記規模の建物は、手続きを簡単にするという理由で実質的に構造計算を行わなくても良いのです。

日本に建っている木造住宅のほとんどがこの「四号特例」に該当しています。

地震に強い家を建てるには

地震に弱い家である理由を、建築基準法や国のせいにしても何の解決にもなりません。地震に強い家を建てるのであれば、まずは構造計算が必要だという事を知ってください。

世界一の地震大国である日本。そして間近にせまる南海トラフ巨大地震…今後の大地震に備え、私たち一人ひとりが防災意識を高め、安心して暮らせる家づくりを目指すべきではないでしょうか。

「家族を守る家」を建てるために、まずは耐震性能に目を向けてみてください。それが、命を守る第一歩です。

 

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